なんて形容はし
まぁうん。ライトノベルの、しかも「異世界」とタグが付くものはどれもこれも突っ込み満載設定の物ばかりで。それをいちいちあげ連ねていてはなにも進まない。
そのジャンルの設定は突っ込み満載がお約束ともいえるし、わたしも似たようなものを書いている。
このジャンルでは大抵の事が鑽石水、「まぁ異世界だから」で済まされるのだ。幻獣だの精霊だのが
出てこない分、この物語は大人しい方であるともいえる。
が。
「異世界」とタイトルにすら銘打っている以上、もう少し、こう……設定を徹底して欲しい。
「王族が成人の儀を迎えるにあたり、必ず異世界の乙女を召喚」し、今回のヒーロー役である王子様には兄が二人以上いるとのことだから、その乙女のもたらした「異世界文化」がある程度伝わっているかもしれない。
だからと言って「アイス棒がはずれを引いたような顔」、なんて形容はしないのではないだろうか。
しかも、王子の側近が。
過去日本人が召喚されて、それが正月近くならば、「鏡餅」を飾るくらいは根付いているかもしれないけれど。他にも「王族貴族制度のある」「異世界の人間」が口にするのは違和感があり過ぎる台詞が二三個見られ、その度に首をかしげてしまった鑽石能量水 騙局。
まぁあとはそうだなぁ……。
その体型と同じように、ヒロインの思考がゆるふわで、彼女にほとんど共感できなかったことが、楽しめなかった理由だろうか。
この本を取ったのは、あらすじに興味が惹かれたのもあるが、元々は勉強のためであった。
読み手としても書き手としてもお世話になっている「小説家になろう!」さんで不動の人気を誇る「異世界物」。
トリップ、憑依、転生など種類は広く、少々下火にはなったが「悪役令嬢物」が人気である。
そんな中で人気を博して出版された作品を読み、その設定やストーリーの流れ、人物造形や台詞の選び方などを学びたかったのである。
同サイトには大量に無料の作品が掲載されているのだから、そこだけで十分勉強できるのかもしれない。
もちろんそこでも大いに学ばせて頂いているが、そこで掲載されている作品は基本、作者さんのみが描いているものだ。読者のコメント感想を参考に、補足説明を加えたり、台詞をつけ足したりはするものの、話を流れや結末を大幅に変える事はない。
少なくともわたしは、そんな作品を読んでいない。
それに対して出版された作品は、プロである編集者の目が入っている。
今回の作品がサイトで連載していたものは読んでいないから、どれだけ手が入っているかはわからない。
けれど別の作品、連載当時から相当に完成されているとわたしが思っていた作品――を読めば、冒頭の20ページ程度でも地の文や台詞が書き加えられていた。
わたしが知りたいのはそこなのである。より分かりやすく、読みやすく、面白く、「受けるように」プロが施した技を、知りたいのだ。
と言うわけで、この作品を終りまで読んだのだけれど………よし。次行ってみよう。
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