昼下がりのふたり


1月のある日、いつもの地下鉄を途中下車して、大きな公園まで足を伸ばした。
空には真っ白いヒツジ雲。陽ざしは強烈なのに、木立に中は冷たいほどの風が吹

bordeaux wine
ふと、ギターの音色が聞こえてきた。木立を抜けると原っぱが広がり、その向こ

うのベンチにギターを弾くひとの姿が見えた。切なく情熱的な旋律にいざなわれ

るまま、原っぱを横切って、ゆっくりと近づいた。
ひげを生やしたギタリストは、がっちりとたくましい肩で、愛しく抱きすくめる

ように楽器を奏でていた red wine。クリムトの名画「抱擁」を彷彿とさせる。さらに近づ

くと、彼の指先は意外に細く、曲芸師の足さばきのようなしなやかさで弦の上を

動いている。
缶ビール2本を挟んで、彼の隣には女性がいた。二人ともジーンズをラフに着こ

なし、年齢不詳に見える。私より年上かもしれない。
演奏の切れ目に、思わず話しかけた。
「スペインの曲でしょうか」
「いや、オリジナルです」
彼は低く通る声で答えた。
「プロでいらっしゃる」
「いやいや、趣味でちょっと」
それにしてはかなりの腕前である a style="color:#333333; text-decoration:none;" href="http://www.doublex.com.hk/vitamine.html">vitamin e。
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